小島美羽『時が止まった部屋』【本の感想】
副題に「遺品管理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし」とあります。
孤独死の現場をミニチュアで再現することにより、一般の人にも孤独死の部屋の状況を理解しやすくなっています。
写真では生々しい景色も、ミニチュアであれば、見る人にインパクトを与えすぎない情報として受け取れます。
しかし、現実の要素を組み合わせて作り上げたフィクションの部屋の模型写真だと知っていても、細微に渡る表現が、現場を見た人にしか知りえないリアリティを持っていることを感じさせます。
孤独死に至る状況や、亡くなった方の心境は様々だと思いますが、自分が孤独死になるかもしれないという可能性があると感じました。
それぞれのケースを見て、深く考えさせられました。
この本の初版は2019年8月です。