今村夏子『むらさきのスカートの女』※文藝春秋９月号掲載【本の感想】

　芥川賞作品は時々読んでいますが、今回、何気なく書評を見たときに、作品に興味が沸きました。

　単行本化を待つことなく、文藝春秋９月号を買い、作品を読みました。

　文章は平易な表現で書かれていて、読みやすかったです。

　この作品には、「むらさきのスカートの女」と、語り手の「黄色いカーディガンの女」が登場します。

　語り手は「むらさきのスカートの女」の奇妙な所を読者に紹介します。

　内容を読み進めるうちに、「むらさきのスカートの女」の挙動が変に感じるのと共に、その行動を逐一観察している語り部のほうが妙だと感じます。

　そして物語が進み、お互い話すことの無かった二人が、どうなるのか…これが面白かった所です。

　芥川賞はそんなに長くない小説を対象にしていますので、最後まで読むのに時間も体力も使いませんでした。

　気になった人は作品を読んでみて、文脈の中に隠れている奇妙な雰囲気を感じて下さい。