森博嗣『アンチ整理術』【本の感想】
この本で述べたいことは「まえがき」に書いてあります。
実際、著者自身が「まえがき」の中に「本書の結論」と項目をつけてまで書いている部分があります。
また、著者は自分は整理などしないし、断捨離などもないとしています。
本文中にも、「まえがき」以上の飛躍した内容はありませんでした。
時間や暇がない人にとっては、「まえがき」で本著の内容は理解できるので、後は読む必要が無いと思うかもしれません。
しかし、本文の内容も、それぞれに論理が展開していきますので、読みごたえはあります。
また、「まえがき」で示された方向性で話が終着するので、読んでいて予想が立ち、それが安心感につながる気がします。
小説なら、「先の読めないストーリー」や「想像もしなかった表現」に楽しみを求めます。
一方で、本著のような内容は、流れがはっきりしているほうが、読み手に負荷をかけないので良いと思いました。
私は、この本読み終えて、論文を読んでいるような印象を受けました。
この本の初版は2019年11月です。