向井蘭『管理職のためのハラスメント予防＆対策ブック』【本の感想】

　この本の冒頭には「職場環境チェックリスト」があります。

　管理職向けのパワハラ予防研修で配布しているものらしいのですが、チェック項目を見てみると、「えっ、今どきこんな事やっている人いないだろ」と思うものがありました。

　この項目は実際に企業でパワハラに関して考えていない人が存在するのという事の裏返しでもあります。

　口では「パワハラは良くない」と言いながら、ハラスメントを行う人は、自覚が無いままに「やってしまう」ものです。

　この本に書かれたことは、自分にも当てはまると考え、心にとめておいた方が良いと思います。

　また、ハラスメントにもさまざまな種類があり、必ずしも役職が上の人が加害者であるとは限らない事も興味深いです。

　この本では、管理者と会社がハラスメントに対して知っておくべきことを示しています。

　ハラスメント事例のマンガが差し込まれていたり、ページ半分にイラストを入れたり

しています。

　この手の本は内容の事もあって、文章ばかりで固くなりがちのレイアウトになるのですが、読み手が投げ出さないように配慮してあるように感じました。

　会社におけるハラスメント問題は、企業を取りまく時代が変わることの表れだと思います。

　ハラスメントの被害者や当事者の方々は大変だと思います。働きやすい企業が増えることを願います。

　この本の初版は2020年2月です。