中村桃子『新敬語「マジヤバイっす」』【本の感想】

　表紙には親しみやすいイラストが描いてあり、よくあるカルチャー本かと思いましたが、副題に「社会言語学の視点から」とあるように、中身は論文に近いです。

　よく使われる「～っす」という言葉について、成り立ちから現在における使われ方まで取り上げられています。

　文章中には引用も多く、参考文献一覧では、英語の論文がズラリと並んでいます。

　本の中盤までは、私の予想していた本とは違って、論理的な考察が続いていました。

どちらかと言えば、落ち着いて読むような内容だと思います。

　本の後半では、TVやCMで紹介された「～っす」言葉について紹介されています。

　知っているCMなども紹介されていて、「～っす」言葉の使いやすさがよくわかりました。

　私は「～っす」言葉は使いませんが、何気ない日常の言葉でも、この本のように研究になるのだなと思いました。

　この本の初版は2020年3月です。