ジョン・チーヴァー「巨大なラジオ/泳ぐ人」【本の感想】
ジョン・チーヴァーの「巨大なラジオ/泳ぐ人」は短編小説集です。
アメリカ東部の郊外住宅地に暮らす中産階級の人を描いています。
私がこの本を手に取ったきっかけは、翻訳者が村上春樹氏だったからです。
村上氏の小説は文章が追いやすく感じるので、よく読みます。
今まで出た長編小説はほぼ全て読んだと思います。
最近本を読む機会が増えて、興味のある本を探していた時にこの本を見つけました。
ページを開くと、1ページが上下2段になっていて、文章量が多めに感じます。
私は文章が多いと途中で挫折しやすくなるのですが、この本は短編小説で区切りがついているので、読みやすかったです。
小説に書かれている時代背景や文化は、私の生活とは違う部分が多いと思いました。
しかし、人と人との関わりや、性格描写には理解できるところがあります。
また、ストーリーの中に感じられる雰囲気があるのですが、上手く表現できません。
淡々と言えるほど落ち着いた文章の中に、何とも言えない人生の危うさのようなものが見え隠れしている気がします。
少しの時間に読み切れる小品集ですが、読み終わった後に再読しました。
最後に村上氏の対談記録も掲載されていますので、村上氏の小説のファンは手に取ると思います。