小笠原泰『わが子を「居心地の悪い場所」に送り出せ』【本の感想】

この本を手に取ったのは、タイトルが気になったからです。

子供本人のやりたいことを伸ばす教育方法に異議を唱える本かと思いましたが、内容を見て違うことに気が付きました。

現在の日本で、グローバル化を必要とされる状況が広がっていく中、自分の子供が将来社会で活躍するために、どのような選択を取るべきかを提案する内容に思えました。

本の中では、送り出すべき具体的な場所は提示していません。それよりも、どのような意識を持って行動するかを大切にしているようです。

よって、子育てハウツー本のような目的で読むと、概念の提示だけと捉えられ、物足らないと思われるかもしれません。

この本の利点は、現在の日本が世界の中で置かれている状況を説明するのに盛り込まれている、情報量だと思います。

（初版が2019年4月ですので、こういった情報の本は今が「旬」です。）

文章の進め方は、論文的な形式を取っていますので、やや長い内容を読むのに苦がない人にとっては、良い読み物になると思います。